建築基準法の解説

角地緩和とは?建ぺい率が10%上がる条件と基準をわかりやすく解説

にゃんぴー

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角地緩和の解説

角地に建築するときに大きなメリットとなるのが「角地緩和」です。

建ぺい率が10%上がるため、同じ敷地面積でもより大きな建物を建てられます。

しかし、角地であれば必ず適用されるわけではなく、建築基準法や自治体の基準に基づいた細かな条件があります。

この記事では、角地緩和の仕組みから条件、判断基準までをわかりやすく解説します。

もぐら先生
この記事のポイント
  • 角地緩和とは何か、法文と照らし合わせて内容を確認
  • 角地緩和の条件を整理
  • 例として東京都と大阪府の角地緩和の規定を確認
  • 特殊な事例を整理(用途地域がまたがる場合、対面道路の場合)
  • 角地緩和はいつから始まった制度なのか

まずは法文(法53条)をチェック

法文を見てみよう

建築基準法

(建蔽率)

第53 条 建築物の建築面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建蔽率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならない。

  第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、田園住居地域又は工業専用地域内の建築物

  3/10、4/10、5/10又は6/10のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの

  第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域又は準工業地域内の建築物

  5/10、6/10又は8/10のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの

  近隣商業地域内の建築物

  6/10又は8/10のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの

  商業地域内の建築物

  8/10

  工業地域内の建築物

  5/10又は6/10のうち当該地域に関する都市計画において定められたもの

  用途地域の指定のない区域内の建築物

  3/10、4/10、5/10、6/10又は7/10のうち、特定行政庁が土地利用の状況等を考慮し当該区域を区分して都道府県都市計画審議会の議を経て定めるもの

 建築物の敷地が前項の規定による建築物の建蔽率に関する制限を受ける地域又は区域の2以上にわたる場合においては、当該建築物の建蔽率は、同項の規定による当該各地域又は区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。


 前2項の規定の適用については、第一号又は第二号のいずれかに該当する建築物にあっては第1項各号に定める数値に  を加えたものをもって当該各号に定める数値とし、第一号及び第二号に該当する建築物にあっては同項各号に定める数値に2/10を加えたものをもって当該各号に定める数値とする。

  防火地域(第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が8/10とされている地域を除く。)内にあるイに該当する建築物又は準防火地域内にあるイ若しくはロのいずれかに該当する建築物

   耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能(通常の火災による周囲への延焼を防止するために壁、柱、床その他の建築物の部分及び防火戸その他の 政令で定める防火設備に必要とされる性能をいう。ロにおいて同じ。)を有するものとして 政令で定める建築物(以下この条及び第67 条第1項において「耐火建築物等」という。)

   準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物(耐火建築物等を除く。第8項及び第67 条第1項において「準耐火建築物等」という。)

  街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物

建築基準法法令集 2026年版(令和8年版)より抜粋

角地緩和とは?

角地に適用される建ぺい率緩和の仕組み

角地緩和とは、2つの道路に接している敷地(角地)に対して、建ぺい率を10%緩和する制度です。

建ぺい率とは、敷地面積に対して建物をどれだけ建てられるかを示す割合のことです。(建ぺい率=建築面積÷敷地面積)

建ぺい率50% → 100㎡の敷地なら建築面積50㎡まで建てられる。

角地緩和で10%加算 → 60%になり、60㎡まで建築可能

ただし、建ぺい率が80%の地域で『防火地域内の耐火建築物』である場合、それだけで20%アップし100%になるため、角地による10%増加は適用されません。

角地緩和が設けられている背景(都市計画上の理由)

角地は道路に面する部分が多く、下記の様な利点があります。

  • 火災時の避難・消火活動がしやすい
  • 交通の見通しが良い
  • 採光・通風が確保しやすい

これらの理由から、建築基準法では角地に対して建ぺい率を緩和する制度が設けられています。

角地緩和の適用条件

角地緩和は「角地なら自動的に適用される」わけではありません。 一般的に以下の条件を満たす必要があります。

接道要件(2方向接道の基準)

2つの道路に接していることが必須条件です。

ただし、単に2方向に接していればよいわけではなく、自治体によっては「一定以上の長さ接していること」などの基準が設けられています。

道路幅員の基準

一般的には、幅員4m以上の道路に接している必要があります。

幅員が狭い道路の場合、緩和が適用されないケースがあります。

120度の角度基準とは何か

道路が交わる角度が120度以下であることが条件になる自治体もあります。

これは、120度を超える場合は1の道路と判断されることから設けられる基準です。

角地緩和の120度の図解

自治体別の角地緩和の基準

例として東京都と大阪府の角地緩和の条文を見てみましょう。

もぐら先生

東京都における角地緩和

東京都建築基準法施行細則

(建蔽率の緩和)

第21条 法第53条第3項第二号の規定により知事が指定する敷地は、その周辺の3分の1以上が道路又は公園、広場、川その他これらに類するもの(以下この条において「公園等」という。)に接し、かつ、次に掲げる敷地のいずれかに該当するものとする。

 二つの道路(法第42条第2項の規定による道路で、同項の規定により道路境界線とみなされる線と道との間の当該敷地の部分を道路として築造しないものを除く。)が隅角120度未満で交わる角敷地

 幅員がそれぞれ8メートル以上の道路の間にある敷地で、道路境界線相互の間隔が35メートルを超えないもの

 公園等に接する敷地又はその前面道路の反対側に公園等がある敷地で、前二号に掲げる敷地に準ずるもの

東京都建築基準法施行細則 より引用

条件としては以下の通りです。

  • 道路が周長の1/3以上である事
  • 2つの道路の角度が120度未満である事
  • 対面道路の場合はそれぞれの幅員が8m以上で道路相互間が35m以下である事
  • 公園等は道路に準ずる
角地に関する足立区の図解
足立区の角地緩和について より引用

大阪府における角地緩和

大阪府建築基準法施行細則

(建ぺい率の緩和)

第4条 法第53条第3項第二号の規定により知事が指定する敷地は、次に掲げるものとする。

 内角が120度以下の二つの道路によってできた角敷地で、その周辺の1/3以上がそれらの道路に接し、かつ、次のイ又はロに該当するもの

  それらの道路の幅員が、それぞれ6m以上でその和が15m以上のもの

  それらの道路の幅員が、それぞれ4m以上で、敷地の面積が200㎡以下のもの

 間隔25m以下のニつの道路の間にある敷地で、その周辺の1/4以上がそれらの道路に接し、かつ、次のイ又はロに叡当するもの

  それらの道路の幅員が、それぞれ6m以上でその和が15m以上のもの

  それらの道路の幅員が、それぞれ4m以上で、敷地の面積が200㎡以下のもの

 公園、広場、水面その他これらに類するものに接する敷地で、前二号のいずれかに準ずると認められるもの

大阪府建築基準法施行細則 より引用

条件としては以下の通りです。

  • 2つの道路の角度が120度以下であり、道路が周長の1/3以上である事
    • それぞれの道路が6m以上でその和が15m以上である事
    • それぞれの道路が4m以上で敷地面積が200㎡以下である事
  • 対面道路の場合は道路相互間が25m以下で、道路が周長の1/4以上である事
    • それぞれの道路が6m以上でその和が15m以上である事
    • それぞれの道路が4m以上で敷地面積が200㎡以下である事
  • 公園等は道路に準ずる

この様に自治体によって条件が異なります。

各自治体のホームページで公開されているので、角地緩和適用の際には確認してください。

もぐら先生

特殊な敷地の取扱い

用途地域がまたがる場合

用途地域がまたがる場合、敷地全体が角地緩和の対象となります。

下図の様に角地に面する用途地域①だけが+10%の対象ではなく、用途地域②も+10%となります。

用途地域がまたがる場合の角地緩和

対面道路の場合

角地緩和と聞くとL 型の道路を想像しますが、対面道路の場合も角地緩和を適用できるケースがあります。

東京都や大阪府の事例でも対面道路の角地緩和が示されています。

ただし、対面道路の角地緩和の場合は、道路幅員やそれぞれの道路の離れ距離などが条件となるので、敷地が自治体の角地緩和の条件に合致するか事前に確認して下さい。

角地緩和はいつから始まった制度なのか

角地緩和は、昭和25年11月23日に施行された法律です。(建築基準法の制定と同時)

当時は法55条第2項第二号でした。

その後何度か、条、項の入れ替えがあったものの、内容は当時のままです。


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まとめ

  • 角地緩和とは、2つの道路に接している敷地(角地)に対して、建ぺい率を10%緩和される。
  • 角地緩和は 一般的に以下の条件を満たす必要がある。
    • 接道要件
    • 道路幅員
    • 120度以内
  • 東京都の場合は以下の通り
    • 道路が周長の1/3以上である事
    • 2つの道路の角度が120度未満である事
    • 対面道路の場合はそれぞれの幅員が8m以上で道路相互間が35m以下である事
    • 公園等は道路に準ずる
  • 大阪府の場合は以下の通り
    • 2つの道路の角度が120度以下であり、道路が周長の1/3以上である事
      • それぞれの道路が6m以上でその和が15m以上である事
      • それぞれの道路が4m以上で敷地面積が200㎡以下である事
    • 対面道路の場合は道路相互間が25m以下で、道路が周長の1/4以上である事
      • それぞれの道路が6m以上でその和が15m以上である事
      • それぞれの道路が4m以上で敷地面積が200㎡以下である事
    • 公園等は道路に準ずる
  • 用途地域がまたがる場合、敷地全体が角地緩和の対象となる。
  • 対面道路の場合は、道路幅員やそれぞれの道路の離れ距離などが条件となるので、自治体の条件を事前に確認する事。
  • 角地緩和は、昭和25年11月23日に施行された。(建築基準法の制定と同時)

本記事の作成にあたり参考にした条文、書籍等

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