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【建ぺい率の緩和】防火地域・準防火地域で適用される条件をケースごとに図解で解説

にゃんぴー

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建ぺい率の緩和(防火、準防火地域内の耐火、準耐火建築物)

今回の記事は建ぺい率の緩和です。

防火地域、準防火地域に建築される耐火建築物等、準耐火建築物等には建ぺい率の緩和があります。

用途地域がまたがっていて耐火建築物等・準耐火建築物等と混在すると判断に迷うケースがあります。

それを解消すべき技術的助言が発出されましたが、またそれが複雑で難解です。

今回の記事では4つのパターンに分けて整理し、わかりやすく図解で解説します。

是非最後までご覧ください。

もぐら先生
この記事のポイント
  • 防火地域、準防火地域の建ぺい率緩和の法文をチェック
  • 耐火建築物等、準耐火建築物等とは何かわかる
  • この規定がいつから施行されたのかわかる
  • 防火、準防火地域の建ぺい率緩和に関する技術的助言をチェック
  • 用途地域がまたがる場合の4つのパターンに分けて図解で解説

 

まずは法文(法53条)をチェック

法文を見てみよう

建築基準法

(建蔽率)

第53 条 建築物の建築面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、その建築面積の合計)の敷地面積に対する割合(以下「建蔽率」という。)は、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に定める数値を超えてはならない。

 一~六 略 

 建築物の敷地が前項の規定による建築物の建蔽率に関する制限を受ける地域又は区域の2以上にわたる場合においては、当該建築物の建蔽率は、同項の規定による当該各地域又は区域内の建築物の建蔽率の限度にその敷地の当該地域又は区域内にある各部分の面積の敷地面積に対する割合を乗じて得たものの合計以下でなければならない。


 前2項の規定の適用については、第一号又は第二号のいずれかに該当する建築物にあっては第1項各号に定める数値に  を加えたものをもって当該各号に定める数値とし、第一号及び第二号に該当する建築物にあっては同項各号に定める数値に2/10を加えたものをもって当該各号に定める数値とする。

  防火地域(第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が8/10とされている地域を除く。)内にあるイに該当する建築物又は準防火地域内にあるイ若しくはロのいずれかに該当する建築物

   耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能(通常の火災による周囲への延焼を防止するために壁、柱、床その他の建築物の部分及び防火戸その他の 政令で定める防火設備に必要とされる性能をいう。ロにおいて同じ。)を有するものとして 政令で定める建築物(以下この条及び第67 条第1項において「耐火建築物等」という。)

   準耐火建築物又はこれと同等以上の延焼防止性能を有するものとして政令で定める建築物(耐火建築物等を除く。第8項及び第67 条第1項において「準耐火建築物等」という。)

  街区の角にある敷地又はこれに準ずる敷地で特定行政庁が指定するものの内にある建築物

4~5 略

 前各項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物については、適用しない。

  防火地域(第1項第二号から第四号までの規定により建蔽率の限度が とされている地域に限る。)内にある耐火建築物等

  巡査派出所、公衆便所、公公共用歩廊その他これらに類するもの

  公園、広場、道路、川その他これらに類するものの内にある建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて許可したもの

 建築物の敷地が防火地域の内外にわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て防火地域内にあるものとみなして、第3項第一号又は前項第一号の規定を適用する。

 建築物の敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合において、その敷地内の建築物の全部が耐火建築物等又は準耐火建築物等であるときは、その敷地は、全て準防火地域内にあるものとみなして、第3項第一号の規定を適用する。

9 略

建築基準法法令集 2026年版(令和8年版)より抜粋

 

 

防火地域内の耐火建築物等、準防火地域内の準耐火建築物等による建ぺい率緩和とは?

防火地域内にある耐火建築物等、準防火地域内にある準耐火建築物等以上は建蔽率が+10%されます。

防火地域内にある耐火建築物等で指定建蔽率が80%の場合は+20%になります。

耐火建築物等とは?

  • 耐火建築物
  • 延焼防止建築物

準耐火建築物等とは?

  • 準耐火建築物(イ-1、イ-2、ロ-1、ロ-2)
  • 準延焼防止建築物

ポイント

  • 防火地域内にある耐火建築物等は建蔽率+10%
  • 準防火地域内にある耐火建築物等、準耐火建築物等は建蔽率+10%
  • 防火地域内にある耐火建築物等で指定建蔽率が80%のものは建蔽率+20%

準延焼防止建築物の建ぺい率緩和

よくある質問

悩むペンギン(ペン築士)

準延焼防止建築物は建ぺい率緩和が受けられますか?

準延焼防止建築物も準耐火建築物等なので準防火地域内であれば建ぺい率+10%になりますよ。

にゃんぴー

 

 

 

いつから施行された?

防火地域内にある耐火建築物の建蔽率緩和は昭和25年11月23日に施行されました。(建築基準法の施行と同時)

従前までは防火地域内の耐火建築物に限定されていましたが、

令和元年6月に準防火地域の準耐火建築物等でも建蔽率緩和が受けられる改正が行われました。

また、その改正により防火地域、準防火地域、耐火建築物等、準耐火建築物等が混在する時に判断に迷うケースが多々ありましたので、それに関する技術的助言が令和3年3月3日に発出されました。

この技術的助言が重要で、かつ複雑なので後程じっくり解説します。

もぐら先生

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角地緩和との併用

防火地域内にある耐火建築物等、準防火地域内にある準耐火建築物等以上は建蔽率が+10%されますが、敷地が角地緩和を受けられる場合、さらに+10%となり、合計+20%となります。

ただし、防火地域内にある耐火建築物等で指定建蔽率が80%の場合、それだけで+20%で建蔽率は100%となるので、角地緩和を受ける事ができません。(建蔽率110%にはなりません。)

建蔽率は建築面積の敷地面積に対する割合ですので100%を超える事はありません。

角地緩和についてはこちらの記事で詳しく解説しているので併せてご覧ください。

https://kakunin-school.com/kenpei-kadoti/

 

用途地域がまたがる場合

令和元年6月の法改正により準防火地域内にある準耐火建築物等が建蔽率緩和の対象となりました。

この緩和の適用にあたり、防火地域、準防火地域、指定なしの内外にまたがる場合に、その取扱いが曖昧であった事から、国土交通省から技術的助言が発出され明文化されました。

技術的助言の内容は以下の通りです。

技術的助言

国住街第204号
令和3年3月3日

各都道府県建築行政主務部長 殿

国土交通省 住宅局 市街地建築課長

建築基準法の一部を改正する法律等の円滑な施行について(技術的助言)

 
建築基準法の一部を改正する法律(平成30 年法律第67 号。以下「改正法」という。)等の施行については、「建築基準法の一部を改正する法律等の施行について(技術的助言)」(令和元年6月24日付け国住指第654号、国住街第41号)等により、その運用に係る細目を通知したころであるが、改正法施行後の建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第53条の規定に基づく建蔽率制限の緩和に係る補足を、地方自治法(昭和22 年法律第67 号)第245 条の4第1項の規定に基づく技術的助言として、下記のとおり通知するので、その運用に遺憾なきようお願いする。貴職におかれては、貴管内特定行政庁及び貴都道府県知事指定の指定確認検査機関に対しても、この旨周知方お願いする。なお、国土交通大臣指定又は地方整備局長指定の指定確認検査機関に対しても、この旨周知していることを申し添える。

1、敷地が防火地域の内外にわたる場合の建蔽率緩和に係る考え方
 
敷地が防火地域の内外にわたる場合であって、敷地内の建築物の全部が法第53条第3項第一号イに規定する耐火建築物等(以下「耐火建築物等」という。)である場合は、同条第7項に基づき、当該敷地は全て防火地域内にあるとみなして、同条第3項第一号又は第6項第一号の規定が適用される。一方、敷地が防火地域の内外にわたる場合であって、上記以外の場合は、当該敷地内の防火地域、準防火地域ごとに、当該地域内にある建築物の耐火建築物等又は法第53 条第3項第一号ロに規定する準耐火建築物等(以下「準耐火建築物等」という。)の別に応じて、同条第3項第一号又は第6項第一号の規定が適用される。

2、敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合の建蔽率緩和に係る考え方

敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合であって、敷地内の建築物の全部が耐火建築物等又は準耐火建築物等である場合は、同条第8項に基づき、当該敷地は全て準防火地域内にあるとみなして、同条第3項第一号の規定が適用される。一方、敷地が準防火地域と防火地域及び準防火地域以外の区域とにわたる場合であって、上記以外の場合は、当該敷地内の準防火地域にある建築物の耐火建築物等又は準耐火建築物等の別に応じて、同条第3項第一号の規定が適用される。

建築基準法の一部を改正する法律等の円滑な施行について(技術的助言)より引用

読んでもいまいちよく分かりませんよね。

技術的助言に『1、』と『2、』がありますがそれぞれに2つの分岐があります。

つまり4つのパターンに分類されます。

次からはその4つのパターンに分けて解説していきます。

もぐら先生

4つのパターンに分けて解説

今回はわかりやすくするため、4つのパターンに分けて解説していきます。

  • 防火地域と準防火地域等にまたがる場合で敷地内すべての建築物が耐火建築物等
  • 防火地域と準防火地域等にまたがる場合で敷地内の建築物に耐火建築物等以外がある
  • 準防火地域と指定なしにまたがる場合で敷地内すべての建築物が準耐火建築物等
  • 準防火地域と指定なしにまたがる場合で敷地内の建築物に準耐火建築物等以外がある

❶❷と❸❹は防火地域➡準防火地域、耐火建築物等➡準耐火建築物等に変わっただけで、内容はほぼ同じです。

❶❷だけ理解できれば❸❹も簡単に理解できます。

もぐら先生

 

❶防火地域と準防火地域等にまたがる場合で敷地内すべての建築物が耐火建築物等

防火地域と準防火地域又は指定なしにまたがる場合は、

  • ❶その敷地に建築される建築物が全て耐火建築物等の場合 → 敷地全体を防火地域とみなす。
  • ❷その敷地に建築される建築物に耐火建築物等以外がある場合 → それぞれの防火地域、準防火地域で考える。

その敷地に建築される建築物が全て耐火建築物等の場合、敷地全体を防火地域とみなして建蔽率の緩和を適用します。

防火地域にまたがる場合の建蔽率緩和

これを踏まえて色々なケースを見ていきましょう。

下図の様なケースでは、耐火建築物等の建築物のみが建築されているので、敷地全体が防火地域とみなされます。

もぐら先生
防火地域とまたがる場合の建蔽率緩和の例

敷地全体が防火地域内の耐火建築物等とみなされ、準防火地域にも建蔽率緩和が適用可能です。(左上の図)

準防火地域の部分のみに建築されている場合でも、防火地域にも建蔽率緩和が適用可能です。(右上の図)

防火指定なしの場合も同じです。(左下の図)

もぐら先生

 

❷防火地域と準防火地域等にまたがる場合で敷地内の建築物に耐火建築物等以外がある

防火地域と準防火地域又は指定なしにまたがる場合で、その敷地に建築される建築物に耐火建築物等以外がある場合、防火地域、準防火地域それぞれの基準で建蔽率の緩和を適用します。

防火地域にまたがる場合の建蔽率緩和2

これを踏まえて色々なケースを見ていきましょう。

下図の様なケースでは、敷地内すべての建築物が耐火建築物等でないため、防火地域、準防火地域それぞれで建蔽率緩和を検討します。

もぐら先生
防火地域にまたがる場合の建蔽率緩和の例2

防火地域内は準耐火建築物等なので緩和適用なし、準防火地域は準耐火建築物等なので緩和適用。(左上の図)

防火地域内は耐火建築物等なので緩和適用、準防火地域はその他(準耐火建築物等以外)なので緩和適用なし。(右上の図)

防火地域内は耐火建築物等なので緩和適用、防火指定なしはそもそも緩和適用外なので緩和なし。(左下の図)

もぐら先生

 

❸準防火地域と指定なしにまたがる場合で敷地内すべての建築物が準耐火建築物等

準防火地域と指定なしにまたがる場合は、

  • ❸その敷地に建築される建築物が全て準耐火建築物等以上の場合 → 敷地全体を準防火地域とみなす。
  • ❹その敷地に建築される建築物にその他(耐火建築物等、準耐火建築物等以外)がある場合 → それぞれの準防火地域、指定なしで考える。

その敷地に建築される建築物が全て耐火建築物等、準耐火建築物等の場合、敷地全体を準防火地域とみなして建蔽率の緩和を適用します。

準防火地域にまたがる場合の建ぺい率緩和

これを踏まえて色々なケースを見ていきましょう。

下図の様なケースでは、準耐火建築物等以上の建築物のみが建築されているので、敷地全体が準防火地域とみなされます。

もぐら先生
準防火地域にまたがる場合の建蔽率緩和の例

準防火地域内は耐火建築物等なので緩和適用、指定なしは準防火地域とみなされ緩和適用。(左上の図)

準防火地域内は準耐火建築物等なので緩和適用、指定なしは準防火地域とみなされ緩和適用。(右上の図)

指定なしの部分のみに建築されていても、準防火地域とみなされているので、敷地全体が準防火地域内の準耐火建築物等となり緩和適用。(左下の図)

もぐら先生

 

❹準防火地域と指定なしにまたがる場合で敷地内の建築物に準耐火建築物等以外がある

準防火地域と指定なしにまたがる場合で、その敷地に建築される建築物にその他(耐火建築物等、準耐火建築物等以外)がある場合、敷地内の準防火地域、指定なしのそれぞれの基準で建蔽率の緩和を適用します。

防火指定なしの部分は建蔽率緩和はありませんので準防火地域内で建ぺい率緩和が適用可能かの判断になります。

準防火地域にまたがる場合の建蔽率緩和2

これを踏まえて色々なケースを見ていきましょう。

下図の様なケースでは、敷地内すべての建築物が耐火建築物等、準耐火建築物等でないため、準防火地域、指定なしそれぞれで建蔽率緩和を検討します。

もぐら先生
準防火地域とまたがる場合の建蔽率緩和2の例

準防火地域内は耐火建築物等なので緩和適用、指定なしは緩和なし。(左上の図)

準防火地域内にその他が建築されているので緩和適用なし、指定なしは緩和なし。(右上の図)

準防火地域内にその他が建築されているので緩和適用なし、指定なしは緩和なし。(左下の図)

もぐら先生

 

 

 

まとめ

  •  

本記事の作成にあたり参考にした条文、書籍等

 

-集団規定