今回の記事では建築基準法における『階数』について解説します。
建築基準法における階数は日常の会話で使う階数とは意味合いが少し異なります。
防火、避難規定などは階数によって規制内容が変わってきますので階数の数え方が重要になってきます。
また、階数に算入されないPH階(塔屋階)、ピット階の判断(1/8の検討)も重要な部分ですので詳細に解説していきます。
是非最後までご覧ください。

まずは法文(令2条第1項八号)をチェック
建築基準法法令集 2026年版(令和8年版)より抜粋法文を見てみよう
建築基準法施行令
(面積、高さ等の算定方法)
第2条 次の各号に掲げる面積、高さ及び階数の算定方法は、当該各号に定めるところによる。一~七 略
八 階数 昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これらに類する建築物の屋上部分又は地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分で、水平投影面積の合計がそれぞれ当該建築物の建築面積の1/8以下のものは、当該建築物の階数に算入しない。また、建築物の一部が吹抜きとなっている場合、建築物の敷地が斜面又は段地である場合その他建築物の部分によって階数を異にする場合においては、これらの階数のうち最大なものによる。
2~4 略
建築基準法における『階数』とは?
建築基準法における『階数』は、日常の会話で使われる階数とは意味合いが少し違います。
建築基準法における『階数』は、建築物ごとに地上及び地下の階数を併せた数値により算定します。
よって地上に限る階数の場合は『地階を除く』などと付記されます。
階数に算入しない屋上部分と地階部分については、その部分の水平投影面積が建築面積の1/8以下である事が条件となります。
建築基準法では階数によって防火や避難などの規定を設けているため、建築物の階数を明確に算定する必要があります。

地下1階、地上2階の建築物は階数3となります。(地階を除く階数の場合は階数2)
例えば、令128条(敷地内通路)の規定は、建築物の階数が3以上の場合に適用されますので
地下1階・地上2階の建築物は階数が3となるため、敷地内通路の設置が必要となります。

階数の数え方
建築物の一部に吹抜けがある場合、傾斜地などにより部分的に階数が異なる場合、には建築物ごとに最大の階数によります。

建築物の部分で階数が異なる場合は最大の階数がその建築物の階数になります。

階数に算入しない屋上部分とは?
『昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これに類する建築物の屋上部分』はその水平投影面積が建築面積の1/8以下である場合は階数に算入されません。
『昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これに類する建築物の屋上部分』の例は以下の通りです。
- 昇降機塔、装飾塔、物見塔
- 屋上部分の利用のための階段室、昇降機
- 昇降機の利用のための乗降ロビー
- 用途上、機能上及び構造上、屋上に設けることが適当な各種機械室
補足
- 階段室、昇降機は条文上明記されていないため除外と解釈する余地はあるが、その他これらに類する建築物の部分と扱い、屋上部分に含める。
- 乗降ロビーは昇降路と不可分であるため、昇降機塔として扱う。
- 各種機械室についても、EV機械室が昇降機塔に算入されない扱いを踏まえ、屋上に設けるのが適当な機械室は同様に屋上部分として扱う。
- これらの部分は、建築物の階数には算入しないが、PH階(塔屋階)に該当するため、延べ面積に算入する。
階数に算入しない地階部分とは?
『地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分』はその水平投影面積が建築面積の1/8以下である場合は階数に算入されません。
『地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分』の例は以下の通りです。
- 地階の倉庫、機械室
- 地階の倉庫等の利用のための階段室、昇降機
- 昇降機の利用のための乗降ロビー
- 用途上、機能上及び構造上、地階の倉庫等に設けることが適当な各種機械室
補足
- 階段室、昇降機は条文上明記されていないため除外と解釈する余地はあるが、その他これらに類する建築物の部分と扱い、地階の倉庫等に含める。
- 乗降ロビーは昇降路と不可分であるため、昇降機と同様に扱う。
- 各種機械室についても、EV機械室が昇降機塔に算入されない扱いを踏まえ、地階の倉庫等に設けるのが適当な機械室は同様に扱う。
- これらの部分は、建築物の階数には算入しないが、ピット階に該当するため、延べ面積に算入する。
屋上部分も地階の倉庫等も条文上は階段室、昇降機、乗降ロビーなどは記載されていませんが、実際は含める事ができると解釈できます。
各種参考書にもその旨が記載されていますのでご確認下さい。

まとめ
- 建築基準法における『階数』は、建築物ごとに地上及び地下の階数を併せた数値により算定する。
- 地上に限る階数の場合は『地階を除く』などと付記される。
- 階数に算入しない屋上部分と地階部分は、その部分の水平投影面積が建築面積の1/8以下である事。
- 建築基準法では階数によって防火や避難などの規定を設けているため、建築物の階数を明確にする必要がある。
- 吹抜けや傾斜地などにより部分的に階数が異なる場合には建築物ごとに最大の階数が採用される。
- 『昇降機塔、装飾塔、物見塔その他これに類する建築物の屋上部分』は以下の通り
- 昇降機塔、装飾塔、物見塔
- 屋上部分の利用のための階段室、昇降機
- 昇降機の利用のための乗降ロビー
- 用途上、機能上及び構造上、屋上に設けることが適当な各種機械室
- 『地階の倉庫、機械室その他これらに類する建築物の部分』は以下の通り
- 地階の倉庫、機械室
- 地階の倉庫等の利用のための階段室、昇降機
- 昇降機の利用のための乗降ロビー
- 用途上、機能上及び構造上、地階の倉庫等に設けることが適当な各種機械室
本記事の作成にあたり参考にした条文、書籍等
- 建築基準法施行令第2条第1項八号 (面積、高さ等の算定方法)
- 建築基準法 目からウロコの確認申請 2025年法改正対応版
- 建築確認のための基準総則集団規定の適用事例
- 建築申請memo2026
