法改正情報 確認申請の解説

建築工事届の書式が変わります。【令和7年(2025年)1月1日より】工事届とは何か?新様式の書き方や記載例を解説します。

にゃんぴー

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工事届の書式が変わります

令和6年(2024年)10月1日に公布、施行され、令和7年(2025年)1月1日から建築工事届の書式が変わります。

今回の記事では工事届とはどういったものなのか?

建築工事届と建築物除却届の関係、建築工事届の新様式の開始時期

そして、新書式の書き方や記載例を解説します。

建築工事届とは?

建築工事届は、建築主が新築、増築、改築、移転などを行う際に、都道府県知事に届け出るための書類です。

この届出は、最終的には国に集約され、建築における経済指標の統計として使われます。

建築工事届は工事の着工までに建築主が都道府県知事に提出する事となっていますが、建築主が直接、都道府県知事に提出する訳ではなく、実際は建築主の委任を受けた設計者が確認申請時に提出します。

建築工事届の提出の流れ

新築、増築、改築、移転などを行う際に建築工事届の提出が必要ですが

  • 工事種別でいうと 用途変更、大規模な修繕・模様替
  • 申請種別でいうと 計画変更、軽微変更

の時には提出が不要です。

もぐら先生

建築工事届と建築物除却届の関係

建築物を新設する建築工事届とは反対に建築物を除却する際には建築物除却届を提出する必要があります。

建築物除却届は工事施工者が除却工事の前に都道府県知事に提出する事となっていますが、これも実際は工事施工者が特定行政庁に提出します。(指定確認検査機関には提出できません)

建築工事届には除却に関する記載欄も備えられており、除却と建築を連続して行う場合には、建築工事届の除却に関する項目を記載することで、別途建築物除却届の提出を省略することができます。

建築物除却届を省略できる場合

建築工事届の新書式の開始時期

令和6年(2024年)10月1日に改正法が公布、施行されます。

令和7年(2025年)1月1日以降に着工予定のものから新書式の建築工事届を提出する事となります。

にゃんぴー

移行時期に旧書式で建築工事届を提出した場合、不足項目について個別の聞き取り調査などを行う事があるそうです。

建築工事届の変更点

にゃんぴー

本改正による変更内容はそれほど多くはありませんが、私が見た限り以下の点が変わっています。

  • 一面 工事施工者、除却施工者の担当者氏名、連絡先の追加
  • 二面 用途分類の方法が変更
  • 旧四面の除却の項目が三面に移動
  • 事務作業の入力ミス防止、効率化などのため、エクセルの自動転記方式に変更
  • 上記によりエクセルとなったため体裁が大きく変わっている

それでは以上の変更点なども含めて次からは新書式の建築工事届の書き方を解説していきます。

もぐら先生

建築工事届の書き方(令和7年1月1日新書式版)

建築工事届 令和7年1月1日新書式(クリックで拡大表示されます)

一面

宛名

工事届一面-宛名

左上の宛名の欄には建築場所の都道府県名を記入します。

東京都 知事様 などとなります。

建築主

工事届一面-建築主

建築主の氏名、郵便番号、住所、電話番号を記入します。

建築主が法人の場合は氏名の欄に会社名、役職、代表者氏名を記入します。

建築主が複数いる場合は、建築主別紙を添付します。

工事施工者(設計者又は代理者)

工事届一面-工事施工者

工事施工者の氏名、営業所名、郵便番号、所在地、電話番号、担当者の氏名、担当者の電話番号を記入します。

氏名の欄には役職、代表者氏名を記入します。

確認申請時に工事施工者が未定の場合は、代わりに設計者又は代理者の内容を記載します

工事監理者

工事届一面-工事監理者

工事監理者の氏名、営業所名、郵便番号、所在地、電話番号を記入します。

工事監理者の氏名の欄には役職は記入不要です。個人名だけ記入して下さい。

確認申請時に工事監理者が未定の場合は、記入不要ですので空欄として下さい。

建築確認

工事届一面-建築確認

こちらの欄は申請先の指定確認検査機関が記入しますので記載不要です。

除却工事施工者

工事届一面-除却工事施工者
除却がある場合(建替えの場合など)

除却施工者の氏名、営業所名、郵便番号、所在地、電話番号、担当者の氏名、担当者の電話番号を記入します。

三面2欄(除却建築物の概要)の記入も必要となります。

除却がない場合(敷地がすでに更地の場合など)

記入不要ですので空欄として下さい。

三面2欄(除却建築物の概要)の記入も不要です。

※受付経由機関記載欄

こちらの欄は申請先の指定確認検査機関が受付印などを押す欄なので記載不要です。

二面

1、着工及び工事完了の予定期日

工事届二面-1

イ欄に着工日予定日、ロ欄に工事完了予定日を記入します。

にゃんぴー

ちなみに記入欄に正しく入力すると左側のオレンジ色は白くなります。

記入漏れ防止機能となっています。

2、建築主

工事届二面-2

イ欄から建築主の種別を選択しチェックを入れます。

『(4)会社』の場合はロ欄の資本額にチェックを入れます。

『(4)会社』以外の場合はロ欄はチェック不要です。

3、敷地の位置

工事届二面-3

イ欄に地名地番、ロ欄に市街化区域等の別にチェックを入れます。

4、工事種別

工事届二面-4

新築、増築、改築、移転の別にチェックを入れます。

用途変更、大規模な修繕・模様替の場合、建築工事届の提出は不要なのでその項目はありません。

5、主要用途

工事届二面-5

下の表から該当する2ケタの数字を記入します。

複数ある場合は床面積の一番大きいものを記入下さい。

居住専用建築物の場合

工事届用途区分-1

居住産業併用建築物、産業専用建築物の場合

工事届用途区分-2
工事届用途区分-3

6、一の建築物ごとの内容

工事届二面-6
イ、番号

建物が複数ある場合は建物番号1、2、3と分けてそれぞれの内容を縦列に記入します。

ロ、物件名

物件名称を記入します。

ハ、用途

確認申請書第三面8欄の用途区分と同様の区分番号を記入します。(一戸建ての住宅なら08010など)

用途が複数ある場合には多用途にチェックを入れ、一番大きい床面積の用途の区分番号を記入します。

二、工事部分の構造

建築物の構造種別によって以下から選択し2ケタの数字を記入します。

混構造の場合は床面積の最も大きい部分の構造について記入します。

構造の区分記号
木造01
鉄骨鉄筋コンクリート造02
鉄筋コンクリート造03
鉄骨造04
コンクリートブロック造05
その他06
ホ、工事の予定期間

工事の予定期間を記入します。

へ、工事部分の床面積の合計

当該建物の延べ床面積を記入します。

小数点以下は四捨五入して記入して下さい。(小数は記入できないようにプログラムされています。)

ト、用途ごとの工事部分の床面積

用途が複数ある場合に、面積の大きい順に3つまで記入します。

用途が1つの場合には記入不要です。

チ、建築工事費予定額

工事予定額を記入します。

建築設備を含んだ金額として下さい。

消費税込みの場合は、消費税込みにチェックを入れて下さい。

リ、ヌ、新築工事の場合における地上の階数、地下の階数

新築の場合の当該建築物の階数を記入します。

増築、改築、移転の場合は記入不要です。

7、新築工事の場合における敷地面積

工事届二面-7

新築の場合のみ敷地面積を記入します。

小数点以下は四捨五入して記入して下さい。(小数は記入できないようにプログラムされています。)

増築、改築、移転の場合は記入不要です。

三面

1、住宅部分の概要

工事届三面-1

住宅用途(一戸建ての住宅、長屋、共同住宅)がある場合のみ記入します。

(2面5欄が居住専用住宅(01)、居住産業併用建築物(10~24)の場合に記入)

イ、番号

建物が複数棟ある場合に1、2、3など建物番号を記入します。

二面6欄イと同じになる様に記載下さい。

ロ~へ、新設またはその他の別 など

該当するものにチェックを入れて下さい。

ト~リ、利用関係 など

ト、チ、リ欄は縦方向に連動しています。

例えば共同住宅で持家1戸、貸家10戸の場合、(1)持家、(2)貸家の両方にチェックを入れ、その下の欄にそれぞれ住戸数、面積を記入します。

リ欄は小数点以下は四捨五入して記入して下さい。(小数は記入できないようにプログラムされています。)

2、除却建築物の概要

工事届三面-2

こちらの内容は旧書式では四面でしたが、三面2欄に移動しました。

除却がある場合に記入します。(建て替えなどの場合)

除却がない場合には記入不要です。(敷地がすでに更地の場合など)

イ、主要用途

二面5欄と同じ区分から選択し2桁の数字を記入します。

ロ~ト、除却原因 など

該当するものにチェック、記入下さい。

チ、建築物の評価額

除却する建築物の評価額を記入します。

特に根拠となる金額が無い場合は1,000円/㎡程度で記入しておきましょう。(例:100㎡→10万円)

注意書き

建築工事届 注意書き 令和7年1月1日新書式(クリックで拡大表示されます)

各項目、注意書きをよく読んで記入下さい。

もぐら先生

まとめ

  • 令和7年(2025年)1月1日から建築工事届の書式が変わる。
  • 建築工事届は、建築主が新築、増築、改築、移転などを行う際に、都道府県知事に届け出るための書類。
  • 新築、増築、改築、移転などを行う際に建築工事届の提出が必要。
  • 用途変更、大規模な修繕・模様替、計画変更、軽微変更などでは提出が不要。
  • 除却と建築を連続して行う場合には、建築物除却届の提出を省略することができる。
  • 令和7年(2025年)1月1日以降に着工予定のものから新書式となる。
  • 大まかな変更点は
    • 一面 工事施工者、除却施工者の担当者氏名、連絡先の追加
    • 二面 用途分類の方法が変更
    • 旧四面の除却の項目が三面に移動
    • 事務作業の入力ミス防止、効率化などのため、エクセルの自動転記方式に変更
    • 上記によりエクセルとなったため体裁が大きく変わっている

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