避難規定

敷地内通路(令128条)有効1500や900でよい条件、ピロティや門扉を経由する場合の注意点など

にゃんぴー

※本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

敷地内通路の解説

5/25に『防火避難規定の解説』の新刊が発売です!

本日の授業はこちら!

敷地内通路の基本、必要な幅員について、ピロティ状の通路の場合の注意点などを詳しく解説します。

それからよくある質問をQ&A方式で解説します。

もぐら先生
スポンサーリンク

まずは令128条をチェック

法文を見てみよう

【建築基準法第35条、建築基準法施行令第127条、128条】

(特殊建築物等の避難及び消火に関する技術的基準)
第35 条 別表第1い欄⑴項から⑷項までに掲げる用途に供する特殊建築物階数が3以上である建築物 政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計)が1,000㎡をこえる建築物については、廊下、階段、出入口その他の避難施設、消火栓、スプリンクラー、貯水槽その他の消火設備、排煙設備、非常用の照明装置及び進入口並びに敷地内の避難上及び消火上必要な通路は、 政令で定める技術的基準に従って、避難上及び消火上支障がないようにしなければならない。

(適用の範囲)
第127 条 この節の規定は、法第35 条に掲げる建築物に適用する。

(敷地内の通路)
第128 条 敷地内には、第123 条第2項の屋外に設ける避難階段及び第125 条第1項の出口から道又は公園、広場その他の空地に通ずる幅員が1.5 m階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の建築物の敷地内にあっては、90㎝以上の通路を設けなければならない。

建築基準法、建築基準法施行令より引用


法文に分かりやすくマーキングしました。

もぐら先生

敷地内通路とは?

敷地内通路は建築物の避難口、避難階段から道路、公園、広場などの安全な位置に至るまで避難に支障をきたすことがない通路を確保する規定です。

敷地内通路が必要な建物は?

  • 法別表第一い欄(1)~(4)までに掲げる特殊建築物
  • 階数が3以上の建築物
  • 採光無窓の居室を有する建築物
  • 排煙無窓の居室を有する建築物
  • 延べ面積1000㎡を超える建築物

階数が3以上の建築物は地下1階地上2階建てでも対象となりますのでご注意ください。

もぐら先生

敷地内通路が必要な部分は?どこからどこまで必要?

スタート

  • 屋外避難階段
  • 避難階の屋外への出入口

ゴール

  • 道路
  • 公園
  • 広場

までの間に敷地内通路が必要です。

1.5mだけじゃない?いろいろなパターンの敷地内通路

1.5m必要なパターン

原則として上記の建築物には有効1.5mの敷地内通路が必要となります。

90cmでよいパターン

階数が3以下で延べ面積が200㎡未満の建築物の敷地内通路は有効90cmとすることができます。

この場合、建物の用途が何であっても90cmでOKです。

3m必要なパターン

  • 木造建築物で延べ面積が1000㎡を超える建築物(令128条の2)
  • 木三共

上記の建築物は建築基準法で敷地内通路3mが必要となる部分があります。

いずれも計画によっては3mの通路を回避することも可能です。

2m必要なパターン

建築基準法上2mの敷地内通路を求める規定はありません。

都道府県等の条例で長屋や共同住宅に2mの通路を求められる場合があります。

建設地の建築条例を確認しておきましょう。

75cmでよいパターン

建築基準法上75cmの敷地内通路を求める規定はありません。

法的に敷地内通路が求められない場合に最低限の通路幅として75cmを採用する場合があります。

ピロティを通る場合の注意点

基本的に敷地内通路は屋外の通路(青天)が想定されています。

ただし、屋外に十分に開放されたピロティ状の通路は敷地内通路として取り扱うことができます。

ピロティ状の通路の条件

  • 通路の有効幅員は1.5m以上を確保する事
  • 通路部分の片面は最低限の柱などのみとし十分開放されている事
  • 開放されている面は隣地境界線と建物との離れ距離が500mm以上である事
  • 通路部分は屋内部分と耐火構造の壁、床及び常時閉鎖式の防火設備で区画されている事
  • 通路の壁、天井の下地、仕上げを不燃材料とする事

なお、ピロティ通路部分と隣地境界線の間に平置きの駐輪場を設ける事は可能です。

行政庁によっては取扱いによって不可としている場合もありますのでご注意ください。

建築物の防火避難規定の解説 2023の平成27年の質問と回答の中で示されています。

敷地内通路に駐輪場を設ける図解
建築物の防火避難規定の解説2016 P189 より引用

敷地内通路についてのケーススタディ

敷地内通路を車路と兼用することは可能?

屋外の通路については車路と兼用することは可能です。

ピロティ状通路内の場合は、火災時に自動車の駐車・出入りなどがなく、避難上支障がない場合は兼用することが可能です。

もぐら先生

敷地内通路内に段差があってもよい?

敷地内通路上に段差があっても構いませんが、階段であれば階段の幅が有効1.5m必要となります。

もぐら先生

敷地内通路上に縦樋や室外機があってもよい?

基本的に敷地内通路の有効1.5mの障害となるものは設置できません。

雨樋、室外機などをよけて有効1.5mの確保が必要です。

壁掛け式の室外機で避難上支障のない頭上(地上から2m程度の位置)に設置するのであれば認められる可能性はあります。

申請先に事前にご相談ください。

もぐら先生

敷地内通路上の門扉に防犯上の鍵をかけることは可能?

基本的に敷地内通路上の門扉に鍵を用いて開くものは設置不可です。

避難方向に対して手動で開錠可能なサムターン、ホテル錠などは可能です。

もぐら先生

敷地内通路の規定はいつから?法改正遍歴と既存不適格

敷地内通路の規定(令128条)が施行されたのは昭和25年11月23日です。

建築基準法が施行されたのと同時ですね。

もぐら先生

その後、令和2年に改正があり、現行の法文になっています。

重要な部分や関連法規についてピックアップして紹介します。

昭和34年12月23日施行

法第35条の改正により対象となる建築物の用途、規模が変わりました。

改正前改正後
学校、病院、劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、百貨店、ホテル、旅館、下宿、共同住宅、寄宿舎法別表第一(い)欄(1)~(4)に掲げる特殊建築物
なし階数が3以上の建築物

昭和46年1月1日施行

法第35条の改正により無窓居室を有する建築物も対象となりました。

令和2年4月1日施行

階数が3以下で延べ面積が200㎡以下の建築物は敷地内通路が90cmでよくなりました。

既存不適格について

昭和34年、昭和46年以前の建築物は用途や規模によって敷地内通路の規定を満たしていない可能性がありますが、既存不適格となります。

増築等を行う際には遡及する可能性がありますのでご注意ください。

法改正遍歴、既存不適格を調べるには令和改訂版 建築確認申請条文改正経過スーパーチェックシートが非常に役立ちます。

まとめ

  • 敷地内通路が必要な建築物は
    • 法別表第一い欄(1)~(4)までに掲げる特殊建築物
    • 階数が3以上の建築物
    • 採光無窓の居室を有する建築物
    • 排煙無窓の居室を有する建築物
    • 延べ面積1000㎡を超える建築物
  • 敷地内通路が必要な部分は
    • 屋外避難階段、避難階の出入口から道路、公園、広場まで
  • 敷地内通路の幅は原則として1.5m、他にも90cm、3m必要な場合もある。他規定にも注意。
  • 敷地内通路をピロティ状の通路とする場合は
    • 通路の有効幅員は1.5m以上を確保する事
    • 通路部分の片面は最低限の柱などのみとし十分開放されている事
    • 開放されている面は隣地境界線と建物との離れ距離が500mm以上である事
    • 通路部分は屋内部分と耐火構造の壁、床及び常時閉鎖式の防火設備で区画されている事
    • 通路の壁、天井の下地、仕上げを不燃材料とする事
  • 昭和34年、昭和46年以前の建築物は既存不適格の可能性がある。

-避難規定